[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私は基本的に文庫の巻末に載っているあまり読まない性質なのですが、ある時何かの拍子に読んだ解説の中に『若さま侍捕物手帖』の話が出ていて、妙に興味を惹かれて探し回った挙句手に入れたのがこの一冊です。
元々古い作品なのもあって今となっては文庫で再版されているシリーズですら入手は難しいでしょうが、7、80年代頃からそれ以前の時代劇を懐かしいと思われる方は是非ご一読なされることをオススメ致しますv
『若さま侍 ~時代小説英雄列伝~』 城昌幸
この本、作者よりも編者である縄田一男さんの趣味で出版されたんであろうな…と思わずにはいられない一冊であります。
中短編6本からなるソレほど分厚い本でないのに、巻末の解説…というか薀蓄部分が長いながい!
(解説部分を普段は読まない私にはちとツライものがあるほど…)
でもまぁ、お好きなんだろうなぁ…ホントに。(苦笑)
作品としては身分、姓名一切不詳の通称”若さま”が難解な事件も鮮やかに解決してゆく筋立てです。
あくまで”捕物手帖”ですので、ミステリーのように若さまと一緒に推理を楽しむ…という訳にはいきません、あしからず。
初出が昭和初期(と言っていいのかな?)なだけあって、文体も表記も慣れるまでは読み辛いものですが、登場する魅力的なキャラクターと判りやすいやすいストーリー運びがいかにも昔懐かしい時代劇らしくて楽しめますv
このシリーズは本来長短含めて相当な作品数があるらしいのですが、現在それら総てを入手するのは今となっては相当難しそうです。
ただ『若さま侍捕物手帖』はこれまた相当数映像化されているので多少ならそちらで補完することも出来そうですね。 私個人的には活字と同じぐらい映像にも興味が湧きました。
うっすら記憶にありそうなのだと林与一か田村正和のテレビシリーズあたりですが…少なくとも田村正和演じるところの”若さま”はあまりにも脚色されすぎてて原型を留めていないような気がする…。
(町人になってたらそれはもはや”若さま”ではないのでは?)
ここは是非とも大川橋蔵さまの”若さま”を拝見したいところですv
ココで配信されているので、興味のある方はドウゾ。↓
http://www.showtime.jp/cinema/movie_circus/jidai/index.html
そうそう、この本の後に光文社文庫から出版されている『若さま侍捕物手帖』と春陽文庫の『幽霊駕籠』も運良く古書店で入手出来たのですが、光文社版と中公文庫版では表紙に描かれている若さまが全然違うのがちょっと面白い。
確かに本文中に若さまの容姿についてあまり詳細には描かれていないので、文中の「浪人風」から想像すれば光文社版の浪人髷(アレは銀杏髷に分類するのかしら?)になるだろうし、おれんが「殿様」と呼びかけるところや「生まれてから此の方、一度も、不如意、不幸、悲哀と云った事を味わった事の無いと云った印象を受ける」という文からは月代の中公文庫版になるのでしょうね。
ワタクシ的には”若さま”は是非とも中公文庫版の月代であって欲しい! かの橋蔵さまもそのようであったようですしv
どうも私の江戸時代の美男というのは月代であるというのが、幼い頃からの刷り込みであるようです。(苦笑)
(それはどう考えても橋蔵さまや杉良、里見浩太郎の影響であるのではないかと…)
数少ない浪人髷が許されるのなんて、杉良太郎の”十文字小弥太”と高橋英樹の”桃太郎侍”だけですよ?
それにしても、読書のペースを遅らせる云々…と言っておきながらやっぱり時代物読んでしまった…orz
(だって、お休みの日にわざわざブルーになりそうな本読みたくなかったんだもん)←意志弱っ!