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書店員のもろもろつぶやきやら、つたないブックレビューやらがのっへり更新されたりされなかったり…
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 気付いたら一日一冊のペースで本読んでますよ?どうしちゃったんだ、私…

 実はこれは年始に上手いこと普段より安く古本で手に入れられたのでついつい買ってしまった一冊。
 でも先にも書いたように、ホントのこというとハードカバーはあんまり好きじゃない。 だってほら、どこにでも持って行けるってもんじゃないでしょう?それに読んでる時に何だか気を使う…。
 (どうも私は本を神経質なぐらい丁寧に扱う癖がついているので、気疲れしてしまうのかも)
 「それなら何故文庫でなくハードカバーで買ったんだ!?」って言われると、単に文庫よりもこっちの方がお得だったから…っていうのもありますが、どうしても読んでみたくなったから…としか。
 だって帯に『超美形少年の弓之助が…』って書いてあったから…(またそれか!)

 しかし、今回ちょっとばかり最近古書店でばかり買い漁っていることに反省点が。
 それはですね…匂いなんですよ、本の。
 紙って言うのは意外と匂いを吸ってしまいやすく、古本には前の持ち主の匂いが結構ついているものなんですよね。
 文庫の場合は手元においている時間が短いせいなのか、あまり吃驚するほどの匂いがついているものは少ないのですが、今回の本は…ちょっとツラかった…orz
 ページをめくる度に何ともいえない独特の生活臭が…。
 こういう時ほどききすぎる鼻を持ったことが恨めしく思える時はないですよ、ホント。
 (だって、目や耳が良いなら恩恵の方が多いけど、鼻は大抵良いことないのですよ)

 (しまった、話がずれた)まぁ本当に本を手元に置いておきたかったら出来る限り新品で買った方がいいんじゃないかというお話。


 『ぼんくら』 宮部みゆき

 帯の煽り文句に”著者真骨頂の長編時代ミステリー”とあるのですが、途中までどこらへんが一体ミステリーというカテゴリにしていい部分なのかがちっとも判らない、おまけに私が購入に至る大なる理由の『弓之助』が一向に出てこない!!
 「すわ、騙された!?」と思いきや、ご心配なくちゃんと出てきました、物語の半分も読み進んだあたりで。(苦笑)
 これはもう二時間ドラマとか映画でそろそろ時間を気にしながら「この話、大丈夫なの?」と思ってしまいそうなあたりですが、ご心配なく。 ちゃんとミステリーにもなっているし、解決もしますし、何より面白い! これは間違いないですよ!

 このお話の見所はやはりミステリーの謎解き部分よりも登場人物の心の機微にあると思います。
 舞台になる鉄瓶長屋には様々な人が住み、様々な思惑を抱えた人がそこに絡んでくる訳ですが、主人公の井筒平四郎と一緒に事件を追い、人の思いと関わっていくうちに、自分の中に新しい優しさの可能性を育てているような気持ちになりました。

 時代小説…ことに、江戸時代を舞台にしたこういった小説を読んでいると、ふと自分が常に何かに追われてあくせくしていたな…と気付かされます。
 それは時間だったり、他者とのしがらみだったりする訳ですが、もっとシンプルに生きてもいいんじゃないかと肩の力が抜けるような気がします。

 そうそう、私が大層気にしていた弓之助は文句なしに『美少年』でした。(笑) 勿論、それは面の皮一枚のどうこうという意味でなしに。 何事も完璧でないあたりが非常に好ましいv
 でもそうしたら私にとっては平四郎も『かなりの男前』ということになってしまうのかしらん?
 (どういう意味か気になった方は是非お読みになってくださいませ)

 今回は文句なしに★★★★★でv
 そういえば、コレには続編で『日暮らし(上・下)』が出版されています。
 つい勢いで買ってしまいましたよ、またもや古書店で…orz (冒頭の反省は何だったんだ?)

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