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最近もの忘れが激しいのもあって、覚え書きも兼ねて読んだ本のレビューを書いてみようかと。
特にここのところ(私にしては)結構なペースで読んでるのもあって、内容がごっちゃにならないための自己整理が一番の理由だったりして。(苦笑)
そういえば昔も『嵐が丘』と『怪傑ゾロ』を同時期に読んだおかげで、未だに私の頭の中ではどっちかの内容を思い出そうとしても前半『嵐が丘』後半『怪傑ゾロ』の世にも奇妙なストーリーが展開されるという事態に陥っているのでした…orz
いや、もういっそちゃんと読み返そうよ、自分…(ヒースクリフが何が悲しゅうてマスク被って正義の味方の真似事すんねんっ!)
最近時代小説に嵌りまくって読みまくっているのでしばらくはそのテの本のレビューが続きますが、気が向いたら「あぁ、そういえばこんなこと書いてあったなぁ…」的に読んでみていただけたら嬉しいなぁv 最近荒んだ事件が多い毎日の中で一服の清涼剤になることうけ合いの本ばかりですよ!
『初ものがたり』 宮部みゆき
このお話は本所深川一帯をあずかる「回向院の旦那」の呼び名で親しまれる岡っ引きの茂七の捕物控(今風に言うなら時代ミステリー?)といった感の六篇のお話からなる短編集です。
茂七の事件解決にいたる手腕は鮮やか…というよりは、例えるならベテランの刑事が勘と経験を頼りに犯人を割り出していく…といった方がしっくりくる気がします。 そしてそういった方法がまだ通用する、現代のようにひねくれすぎていない、歪みすぎていない真っ直ぐな温かみが江戸という時代にはまだ残っているような…そしてそんな世界を見せてくれる”時代小説”に、”宮部みゆき”という作家の持つ世界観に何だか私はほっとしてしまうようです。
そういえば私は宮部みゆきさんの作品で現代ものってあんまり読んだことがないかも…。 『ブレイブストーリー』が現代物かどうかという定義は微妙なトコロですが、アレは何だか痛々しくて…勿論それも含めて面白い作品ではありましたが、宮部さんの書かれる時代小説は痛ましい事象もありますが、それ以上に読後感が何とも言えないあたたかみがあって大好きなのですv
ただ今回ちょっと残念だったのは、『総ての謎が解かれていない』ことですかね。 別に解かれていなくても問題ない程度のコトだし、読者の想像に任せる部分なのかもしれませんが私は何だか気になってしょうがないっ! 是非とも続きが読みたくて仕方ないのです。 宮部みゆきさんご本人も「いつか続きを」とおっしゃっていたのを信じて待つしか…orz 取り合えず『本所深川ふしぎ草紙』にも茂七は登場するようなので近いうちにそちらも読んでみたいものです。(順番逆になっちゃったよ)
そうそう、それからこの本を読むもう1つの楽しみは、何といっても作中に出てくるいかにも美味しそうな料理の数々ではないでしょうか。 かの有名な池波正太郎の『鬼平犯科帳』もそうでしたが、どうして時代劇(というか時代小説)に出てくる料理ってどれもあんなに風情があって粋で美味しそうなんでしょうか?
この本を読んだらあなたもきっと親父の稲荷寿司を食べに富岡橋に行きたくなることうけ合いです!(笑)
私も明日あたり職場近くの『泉平』で稲荷寿司を買って帰ろうv
「以下、次号を待て!」の展開を期待して、今回のレビューは★★★★☆でv